USCPA：米国公認会計士のすべてを解説

1. USCPAとは？

USCPA（U.S. Certified Public Accountant、米国公認会計士）は、米国各州が認定する国際的に認められた会計資格です。国際ビジネス資格の最高峰に位置づけられ、グローバル化が進む現代において、企業の海外進出や合併・再編を支える会計のプロフェッショナルとして注目されています。

世界150カ国以上で約40万人が取得し、多様な分野で活躍するこの資格は、会計スキルを武器にキャリアを築きたい人にとって魅力的な選択肢です。本記事では、USCPAのメリット、試験制度、難易度、手続き、新試験のポイント、そして転職先の可能性までを詳しく解説します。

2. USCPAを取得するメリットと魅力

USCPAを取得する理由は、その多大なメリットと将来性にあります。
(1) 専門性の高いグローバル資格資格としての地位: 特に監査業務は公認会計士のみに許された独占業務。世界的に高い認知度を誇ります。
(2) 世界を舞台に活躍: 日本、韓国、シンガポールなどアジア圏を含む多国籍の受験者が挑戦し、グローバルに通用する資格として評価されています。
(3) 英語での会計実務スキル: 試験合格は、英語でプロレベルの会計実務をこなせる証明に。科目合格から履歴書に記載でき、就活・転職で即アピール可能です。
(4) 広がるビジネスフィールド: 全世界で約40万人のUSCPAホルダーのうち34%が一般企業で活躍。監査や税務に留まらず、多岐にわたるキャリアが開けます。
(5) 将来性と安定性: 国際財務報告基準（IFRS）の導入や内部統制監査の義務化など、企業のグローバル化に伴い需要が拡大中です。

会計はあらゆる企業に不可欠なスキルであり、USCPAは安定したキャリアと国際的な活躍の基盤を提供します。

3. USCPA試験の概要

USCPA試験は、米国公認会計士協会（AICPA）が主催し、州ごとに異なる受験資格を満たす必要があります。

(1) 受験資格: 学位要件（大学卒業など）と単位要件（会計・ビジネス単位）。日本の大学卒業者では会計単位が不足する場合が多く、追加取得が必要です。
(2) 試験形式: コンピュータベースで、四択問題（MC）と総合問題（Task-based Simulation、TBS）の2種類。
(3) 試験科目（2024年以降）
・必須（CORE）3科目: FAR（財務会計）、REG（税務・ビジネス法）、AUD（監査）。
・選択（DISCIPLINE）1科目: BAR（ビジネス分析と報告）、TCP（税務コンプライアンスとプランニング）、ISC（情報システムとコントロール）から選択。
(4) 受験地: 米国プロメトリックセンター、または日本（東京・大阪）の2会場。日本受験は国籍や在留資格に応じた条件あり。
(5) 受験料: 1科目$344.80～$364.80、日本受験は追加$390（計$734.80/科目）。
(6) 科目合格制度: 4科目を任意の順序で受験可能。合格の有効期限は州により30～36ヶ月。

試験は実務レベルの基本知識を広く浅く問う設計で、柔軟な受験プランが立てられます。

4. 試験の難易度と合格への道のり

USCPA試験の難易度は、会計知識や英語力によって異なりますが、計画的な学習で乗り越え可能です。
(1) 合格点: 各科目99点満点中75点以上（絶対評価）。
(2) 合格率（2024年1～9月）:
・CORE: FAR（40.59%）、REG（63.26%）、AUD（46.53%）。
・DISCIPLINE: BAR（40.59%）、TCP（75.42%）、ISC（59.14%）。
(3) 学習時間目安:
・日本CPAレベル: 700～900時間。
・簿記2級＋TOEIC500点台: 1,000～1,200時間。
・会計知識ゼロ＋英語苦手: 1,200～1,500時間。
(4) 難易度のポイント: 基本知識に加え、ケーススタディ形式のTBS問題で応用力が試されます。

1日2～3時間の学習で年間約1,000時間を確保でき、仕事や学業と両立しながら合格を目指せます。

5. 受験手続きとスケジュール

受験プロセスは自己管理が求められ、以下の流れで進みます。
(1) 手続きの流れ: 学歴審査→州への出願→受験予約（プロメトリック）→試験→合格発表。
(2) 2025年スケジュール: 必須科目は毎月受験可、選択科目は限定期間（要確認）。
(3) 日本受験条件: 日本国籍、永住権、長期滞在外国人（在留カード必須）、パスポート提示。
(4) 注意点: 出願州と受験地は別選択可。手続き代行はなく、自身で対応。

受験予約時はプロメトリックの空席確認が必須で、日本受験者は全科目合格後3年以内のライセンス取得に同意が必要です。

6. 2024年新試験（CPA Evolutionモデル）のポイント

2024年1月より導入された「CPA Evolutionモデル」は、会計・ビジネス知識とITスキルの拡大に対応した試験です。以下の様な点が変更になっています。

(1) 変更の背景: グローバル化と技術進化に伴うUSCPAの役割拡大。
(2) 新試験の特徴:
・Research問題が進化（データベース廃止、参照資料ベース）。
・Excel→JavaScriptベースのSpreadJS。
・BECの記述式問題廃止。
・MC問題の適応型テスト廃止。
(3) 移行ルール: 旧FAR、REG、AUDはCOREに、BECは選択科目に引き継ぎ。2024年1月時点の有効科目は2025年6月30日まで延長。
(4) TACの対応: Becker連携で新試験対応教材（V.6.0以降）を提供。

7. USCPAによって転職できる企業・業界は？

USCPA資格は、キャリアの可能性を飛躍的に広げるグローバル資格です。
監査法人やBIG4（PwC、Deloitte、EY、KPMG）での監査業務はもちろん、投資銀行のIBD（投資銀行部門）、アセットマネジメント、ヘッジファンドや商社・グローバル事業会社のCFO部門といった金融業界へのキャリアパスも広がります。これにより、年収は1,500万円どころか、2,000万円、3,000万円といった大きなキャリアアップが現実的に狙えます。

USCPAは日本の公認会計士と異なり、グローバルに認められているため、世界的な企業での活躍のチャンスが格段に増えます。例えば、外資金融やグローバル企業のCFO、ファイナンシャルコントローラーといったポジションも視野に入ります。
しかし、そのためには戦略が重要です。多くの人は日本の会計予備校で単位を取得し、監査法人に入社するルートを選びますが、それではもったいない。USCPAの真の価値は、もっと高い年収とキャリアアップの可能性にあります。

アルファアドバイザーズでは、単位の取り方や受験戦略にこだわることを推奨します。例えば、USCPAだけでなくMBAを同時に取得することで、会計スキルと経営視点を兼ね備えた希少な人材となり、グローバル企業の経営層や金融業界のトップポジションに近づけます。

8. 公認会計士と簿記1級とUSCPA、どれがいいのか？

「日本の公認会計士（CPA）、簿記1級、USCPAのどれを取るべきか？」と迷う方も多いでしょう。結論から言うと、グローバルなキャリアを目指すならUSCPAが最も有利です。
(1) USCPAの優位性:
USCPAは世界150カ国以上で認められ、英語での会計実務能力を証明できる国際資格。外資系企業や金融業界への転職で圧倒的な強みを発揮します。
一方、日本の公認会計士は国内での監査業務に特化しており、グローバルでの認知度は限定的です。

(2) 難易度と時間の違い:
日本の公認会計士試験は難易度が非常に高く、合格まで平均5～7年かかることも珍しくありません。
対してUSCPAは、会計知識ゼロからでも1,200～1,500時間（約1～2年）で取得可能。簿記1級は国内での経理業務には有効ですが、国際的な転職力はUSCPAに遠く及びません。

(3) キャリア視点:
以上の様な観点から、USCPAは日本の公認会計士よりも合格まで短期間で済むことに加え、グローバル企業からの評価も高い資格という位置付けになります。
USCPAは投資銀行やグローバル企業の高収入ポジションへの道を開きます。時間をかけすぎず、効率的にキャリアアップしたいならUSCPAが最適です。

9. USCPA単位の取り方

USCPA受験には、州ごとに定められた会計単位とビジネス単位が必要です。日本の大学卒業者では不足しがちなこれらの単位を効率的に取得する方法として、会計大学院のオンラインコースがおすすめです。

オンラインコースのメリット:
日本にいながら、仕事を続けながら単位を取得可能。社会人や大学生でもスケジュールに合わせて学習できます。例えば、米国のUC San Diegoは会計大学院として有名ですが、USCPAの会計単位を取得できるオンラインコースも提供しています。
アルファはUC San Diegoと提携し、オンラインコースを１５％オフで提供しています。割引に興味がある方はぜひこちらをご覧ください＞
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10. USCPAオススメの組み合わせ

USCPA単体でも価値がありますが、MBAとの組み合わせが特に強力です。このコンビネーションは、未経験からでも外資系投資銀行（IBD）、アセットマネジメント、ヘッジファンドといったトップ金融業界に加え、商社や事業会社のCFO部門への転職を狙えるチャンスを生み出します。

USCPAだけでは、外資金融への転職はハードルが高いのが現実。会計スキルに加え、経営戦略やリーダーシップを証明するMBAがあれば、企業からの評価が一気に上がります。
USCPAを先に取得し、実務経験を積みながらMBAを目指すのが効率的。アルファのサポートなら、単位取得からMBA留学、転職まで一貫したプランが可能です。

USCPAとMBAのダブル資格で、グローバル金融のトップキャリアを掴みましょう。

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