こんにちは、アルファアドバイザーズ代表のTJです！

ChatGPTをはじめとする生成AIの急速な進化により、これからのビジネスでは「テクノロジー」への深い理解が不可欠な時代がやってきました。かつてはMBAだけで十分だったキャリアアップの道も、今では「テックに強いMBA人材」でないと差別化が難しくなっています。

もちろん、MBAは今でも社会人にとって最強の武器であることは変わりません。ただ、そのMBAに「コンピューターサイエンス」や「データサイエンス」などのテック系修士を組み合わせることで、さらに市場価値が高まり、まさに「経営×テクノロジー×グローバル」の三拍子揃った最強人材になることができます。

実際、欧米を中心に大人気なのが、MBAとテック系学位を同時取得する「Dual Degree（デュアルディグリー）」です。アルファでも最近はこのタイプの進路を目指すご相談が急増しており、年収3,000万円クラスの外資テック企業やファンド、コンサル、起業など、卒業後のキャリアの選択肢が一気に広がることが魅力です。

そこで今回は、「テクノロジーを学べるMBAプログラム」を以下の2タイプに分けてご紹介します。

(1) MBAの中にテクノロジー科目が組み込まれているタイプ
(2) MBAとCS/データサイエンスの学位を同時に取得するDual Degreeタイプ

いずれもテック業界やグローバルなキャリアを本気で目指す人には必見の内容です！今回紹介しているものだけではなく、まだまだDual Degreeプログラムを取れるビジネススクールはありますので、さらに詳しく知りたい方、自分に合ったプログラムを選びたい方は、ぜひアルファにご相談ください！

まだまだ他にも魅力的なプログラムはたくさんあります。あなたにピッタリの進路を、一緒に考えましょう！

1. テクノロジー科目がMBAカリキュラムにビルトインされたMBA

(1) Cambridge Judge（イギリス）

・所在地：イギリス・ケンブリッジ
・特徴：1年制MBAで、「Digital Transformation」などの集中科目を選ぶと、AIやIoT、ブロックチェーン、ビッグデータといった先端技術がビジネスをどう変革するのかを学べる。ケンブリッジ大学のテック系ラボやスタートアップとの連携もあり、実践的な学びが可能。
・キャリアサポート：シリコンフェン（ケンブリッジ周辺のテック集積地）のスタートアップやVC、外資系大手IT企業などとネットワークがあり、就職支援やインターン斡旋も充実。

(2)London Business School（イギリス）

・所在地：イギリス・ロンドン
・特徴：2年制MBA。選択科目を組み合わせると「Technology & Analytics Concentration」という形で修了時に認定を得られる。プログラミングやデータサイエンス、FinTech関連の授業が豊富。
・キャリアサポート：ロンドンという金融・テックの中心地を活かし、Amazon、Google、Metaなどのほか、欧州のFinTech企業やコンサル、投資銀行とも太いパイプがある。

(3)Imperial College Business School（イギリス）

・所在地：イギリス・ロンドン
・特徴：1年制MBAで、大学自体が理工系に強いImperial College Londonの中にあるため、AIやデータ解析、FinTech関連などテクノロジー科目が充実。必修科目もデジタルイノベーション寄りにシフトしつつある。
・キャリアサポート：ロンドンの豊富なテックおよび金融ネットワークを活かしたプロジェクトやメンター制度があり、就職に直結するケースが多い。

(4)INSEAD（フランス / シンガポール）

・所在地：フランスとシンガポールの2拠点
・特徴：10ヶ月の短期集中MBA。選択科目の「Data Science for Business」や「Digital Transformation」などを組み合わせることで、AIやデータ解析、デジタル戦略を学べる。INSEADが持つ“digital@INSEAD”プログラムと連携し、エンジニアリング面よりはビジネス活用視点で学ぶ機会が多い。
・キャリアサポート：欧州とアジア両方のキャンパスで学べる利点を活かし、AmazonやGoogle、MicrosoftなどのIT企業だけでなく、ファンドや投資銀行も積極的に採用。起業やスタートアップに進む人も多い。

(5)HEC Paris（フランス）

・所在地：フランス・パリ近郊
・特徴：16ヶ月のMBAプログラム。近年は「Deep Tech & AI」という新しいエリアにも力を入れており、AIやデジタル分野のエレクティブ科目が拡充。伝統的にコンサルや金融が強いが、テック関連の就職も増えている。
・キャリアサポート：パリのスタートアップや欧州企業との連携が強く、デジタルトランスフォーメーション人材としての需要が大きい。フランスのラグジュアリーブランド企業もデジタル推進のためにMBA人材を求めている。

(6)IESE Business School（スペイン）

・所在地：スペイン・バルセロナ
・特徴：15〜19ヶ月のMBA。選択科目に「Data Analytics & Digital Business」や「FinTech」があり、データ活用やデジタル戦略、イノベーションに関する授業を受けられる。グローバル志向の学生が多く、コンサルやテック、投資銀行へ幅広く進路をとる。
・キャリアサポート：IESEのキャリアサービスはコンサルや金融に強いが、AmazonやGoogleなどのビッグテック企業も毎年多数採用。バルセロナのスタートアップ・シーンも盛況で、現地でのインターンや起業に挑戦する学生もいる。

(7)NUS Business School（シンガポール）

・所在地：シンガポール
・特徴：約17ヶ月のMBA。必修コアに加え、「Analytics & Operations」や「Digital Business」などの専攻を選択可能。AI、ブロックチェーン、ビッグデータなどアジアの成長市場に合わせた科目が多い。シンガポールという国全体がテック＆金融ハブなので、学外での実践機会も豊富。
・キャリアサポート：Google、Amazon、Grab、DBSなど、シンガポールを拠点とする多国籍企業との連携が強く、フィンテックやビッグデータ分野での就職を支援。卒業後はアジア地域での就職を目指す学生が多い。

(8)HKUST Business School（香港）

・所在地：香港
・特徴：12〜16ヶ月のMBA。金融強みのある香港に位置しつつ、近年は「FinTech」「Big Data」関連の選択科目を増やし、メインランド中国のテック大手（AlibabaやTencent、Baiduなど）にもルートがある。MBAのカリキュラムもアジアの動向を踏まえたデジタル関連科目が拡充。
・キャリアサポート：香港という国際金融都市と、中国本土の大手IT企業へのパイプが強い。特にアリババやテンセントなどはMBA採用にも積極的。英語と中国語の両方を生かせる学生には有利な環境。

2. Dual Degree（MBA + CS / Data Science / Business Analyticsなど）

(1)Stanford GSB – MBA/MS in Computer Science（アメリカ）

・所在地：米国カリフォルニア州スタンフォード
・特徴：MBAとMS in Computer Scienceを同時に取得できる3年プログラム。世界トップクラスのビジネススクールと工学部（CS学科）を兼ね備えたスタンフォードならではのカリキュラム。特にスタートアップやベンチャーキャピタルに進みたい学生には絶大な人気。
・キャリアサポート：シリコンバレーのど真ん中に立地し、VC、スタートアップ、大手IT企業とのネットワークが圧倒的に強い。MBA/MS CSのジョイントプログラム卒業生は、CTO兼CEO、テック関連の起業、ベンチャー投資など、多彩なキャリアへ進む。

(2)Harvard Business School – MS/MBA: Engineering Sciences（アメリカ）

・所在地：米国マサチューセッツ州ボストン
・特徴：ハーバードの工学系（Paulson School of Engineering）とのジョイントで、MBAとMS in Engineering Sciencesを2年間で取得。製品開発やテック起業に必要な“エンジニアリング基礎+マネジメント”を学びたい人向け。理系のバックグラウンドがなくても受験できるが、入学難易度はかなり高い。
・キャリアサポート：HBSのキャリアサービスに加え、ハーバード全体のリソース（i-Labなど）を活用できる。Tech企業やヘルスケア、バイオ系など多様なテクノロジー領域に進む学生が多い。

(3)MIT Sloan – LGO (Leaders for Global Operations)（アメリカ）

・所在地：米国マサチューセッツ州ケンブリッジ
・特徴：MBAとエンジニアリング修士（MEng等）を2年間で取得するプログラム。オペレーションやサプライチェーンに強みがあり、Amazonやボーイングなどの大手企業との6ヶ月インターンが必須。CS専攻というよりはEngineering全般だが、アナリティクスや機械学習なども選択可能。
・キャリアサポート：MITの提携企業とのネットワークが非常に強い。修了生はオペレーション系管理職や、プロダクトマネージャー、テックコンサル、さらに起業やベンチャーへの転身も多い。

(4)UC Berkeley Haas – MBA/MEng Concurrent Degree（アメリカ）

・所在地：米国カリフォルニア州バークレー
・特徴：MBAとMaster of Engineering（7分野から選択可能）を2年間で並行履修するプログラム。テクノロジーとビジネスのハイブリッド人材を育成する狙いがあり、シリコンバレー近接の利を活かしやすい。カリフォルニア大学バークレー校の工学部はAI、機械学習でも非常に有名。
・キャリアサポート：Haasのキャリアオフィスに加え、工学部のキャリア・インキュベーションも利用可。学生プロジェクトでGoogleやTesla、各種スタートアップとの連携機会がある。修了後はプロダクトマネージャーやエンジニアリングマネージャー、テックコンサルなどに進む。

(5)University of Chicago Booth – MBA/MS in Computer Science（アメリカ）

・所在地：米国イリノイ州シカゴ
・特徴：MBAとMS in Computer Scienceを同時取得可能。ブースMBAの強いファイナンスや経済学の基礎に加え、コンピュータサイエンスの実践スキル（アルゴリズム、MLなど）を身につけるカリキュラム。フィンテックやクオンツ領域に興味を持つ人に好まれる。
・キャリアサポート：シカゴ大学のポルスキーセンターによる起業支援や、Boothの強いネットワークを活かし、テック・投資銀行・ファンドなど多彩なキャリアへ。特にフィンテック系ベンチャーやクオンツ・トレーディング企業への就職も目立つ。

(6)Oxford Saïd – Oxford 1+1 MBA（イギリス）

・所在地：イギリス・オックスフォード
・特徴：1年目にオックスフォード大学のMSc（Computer ScienceやData Science関連専攻など）を履修し、2年目にSaïd Business Schoolの1年制MBAを取得する「1+1」形態。最長2年間で2つの修士を修了できる。
・キャリアサポート：Saïdのキャリアセンターは金融・コンサルに強いが、欧州のIT企業やスタートアップ、さらにはシリコンバレーへの繋がりもある。オックスフォードの幅広い学術ネットワークをフル活用できるのが魅力。

(7)IE Business School – IMBA + Master in Computer Science & Business Technology（スペイン）

・所在地：スペイン・マドリード
・特徴：1年制のInternational MBAと、CSやビジネステクノロジー系の修士（Master in Computer Science & Business Technology）を組み合わせ、約19ヶ月で2つの学位を取得するプログラム。プログラミングやAI、クラウドなど実践的テック科目を学びつつ、IEらしい起業家精神も磨ける。
・キャリアサポート：IEはスタートアップやイノベーションに強く、AmazonやGoogleなどの欧州拠点、フィンテック企業、VCなどと連携。MBAとCSの知識を融合した人材として、プロダクトマネージャーやデジタル戦略コンサル、起業家など多岐にわたる進路がある。

(8)Hult International Business School

Hult International Business Schoolでは、Dual Degreeプログラムを通じて、2つの修士号を最短18ヶ月で取得可能です。このプログラムの特徴は、まず1年目の一般的なビジネス学位（例えばMBAやMaster’s in Managementなど）を修了し、その後6ヶ月の追加学習で専門分野（マーケティング、ファイナンス、アナリティクスなど）の2つ目の修士号を取得する点です。
・キャンパス: 最初の学位はホームキャンパス（ボストン、ロンドン、サンフランシスコなど）で学び、2つ目は特定のキャンパス（ボストン、ロンドン、サンフランシスコ）に限定されます。
・利点: 短期間で2つの学位を取得でき、グローバルな就職市場での競争力を高められます。また、Hultの国際的なネットワークと実践的なカリキュラムが強みです。
・対象者: ビジネス全般のスキルを強化しつつ、特定の業界に特化したい人に適しています。

(9) Columbia University MBA＋Engineering

コロンビア大学では、MBAと工学修士（Master of Science in Engineering）を組み合わせたデュアルディグリープログラムが提供されています。このプログラムは、ビジネスと技術の両方の知識を深めたい学生向けに設計されています。
・構造: 通常、MBAはColumbia Business Schoolで、工学修士はSchool of Engineering and Applied Scienceで学びます。2つの学位を別々に取得するよりも時間を節約できるように、一部の単位が共有されます。
・期間: 一般的には2.5〜3年程度で修了可能（フルタイムの場合）。
・特徴: ニューヨークというビジネスの中心地での学びに加え、技術革新と経営戦略を統合するスキルが身につきます。卒業後は、テクノロジー企業やコンサルティング、起業等のキャリアが期待されます。
・対象者: エンジニアリングのバックグラウンドを持ちつつ、経営視点も獲得したい人に最適です。

(10) USC IBEAR

南カリフォルニア大学（USC）のIBEAR MBAプログラムは、グローバルビジネスに特化した1年間のMBAで、他の学位とのデュアルディグリーオプションがあります。特に、Master of Science in Industrial and Systems Engineering、Engineering Management、Mechanical Engineering、Electrical Engineeringなどのテック系マスターとの組み合わせが人気です。

・構造: IBEAR MBAは1年間の集中プログラムで、その後追加の学習で工学系の修士号を取得します。合計で約2年程度で2つの学位を取得可能です。
・特徴: IBEARは国際経験豊富なミッドキャリアのプロフェッショナル向けに設計されており、実践的なビジネススキルと工学の専門知識を融合させます。ロサンゼルスの立地を活かし、グローバル企業やスタートアップとの繋がりが強いです。
・利点: 短期間で集中的に学び、国際ビジネスと技術の両方でリーダーシップを発揮できる人材を目指せます。
・対象者: 国際的なキャリアを目指す中堅専門家や、ビジネスとエンジニアリングの交差点で活躍したい人に適しています。

まとめ

欧米やアジアでCS・AI・データサイエンスが学べるフルタイムMBAは大きく2パターンに分けられます。

1つ目は、MBAのカリキュラム自体にテクノロジーやデジタル関連の授業がビルトインされているタイプです。ロンドンやパリ、シンガポール、香港など、金融・テック両方が盛んな都市のプログラムでは、FinTechやデジタルビジネスの科目を取り入れやすく、企業との実務的なプロジェクトを行いながら学べる環境が整っています。

2つ目は、MBAと並行してCSやエンジニアリング、データサイエンスなどの修士号を取得できるDual Degreeタイプです。こちらはアメリカに多く、スタンフォード、ハーバード、MITなどが代表例。カリキュラムがハードになる分、テクノロジーとビジネスを本格的に掛け合わせたスキルを得られ、卒業後はテック業界の要職や起業、ファイナンステック領域の企業などでリーダーシップを発揮できます。

いずれの形態も、卒業後にテック業界や金融業界でキャリアを築くうえで大きく役立ちます。最先端の技術動向を学びたいか、よりマネジメント寄りに学びたいか、あるいはジョイントディグリーで本格的なエンジニアリング力も身につけたいかによって、プログラムを選択するとよいでしょう。勤務地域や学費、プログラムの長さ、ビザの条件も含めて検討することで、最適なスクールが絞り込みやすくなります。

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