【中学受験】中学受験はさせるべき? 教育×脳科学の視点から見る中学受験のメリットと受験前に知っておくべき注意点

Emi Sakashita
α事務局

中学受験はさせるべき? 教育×脳科学の視点から見るメリットと受験前に知っておくべき注意点

こんにちは。アルファアカデミーCEOの坂下絵美です。
私は東京大学の大学院で海馬をはじめとする脳科学を研究し、さらにコロンビア大学教育大学院で臨床心理学や認知科学を学んだ後、現在は「アルファアカデミー」というオンライン教育プラットフォームを運営しています。ちなみに海馬は、学習や記憶形成に深く関わる脳の領域であります。
本日は「中学受験はさせるべきか?」という疑問について、脳科学・教育心理学の観点から解説してみたいと思います。中学受験がもたらすメリットと、実際に取り組むうえで注意すべき点をまとめましたので、ご家庭での学習方針や進路選択のヒントにしていただけたら嬉しいです。

1. 中学受験が脳に与えるメリット

(1)ゴールデンエイジに“本気の思考”を経験させる
小学校高学年から思春期にかけては、脳の可塑性(プラスティシティ)が非常に高い時期です。特に前頭前野(論理的思考・計画立案・ワーキングメモリを担う領域)や海馬(記憶の形成・統合に重要)が活発に再編されるため、適度な学習負荷や挑戦を与えると「一気に伸びる」可能性があります。
メリット:論理的思考を要する算数問題や長文読解を繰り返すことで、思考の回路が効率的に形成され、学習そのものが得意になりやすい。
(2)目標設定と成功体験が、学習報酬系を刺激
中学受験には「○○中学に入りたい」「偏差値を上げたい」という明確な目標が付きもの。これを達成すると、脳内でドーパミン(やる気や快感に関係する神経伝達物質)が分泌されます。適度な達成感を繰り返し味わうことで、脳の報酬系回路が「努力すれば成果を得られる」と学習し、挑戦を前向きに捉える癖がつきやすくなります。
メリット:勉強だけでなく、部活や習い事、将来の進路選択においても「頑張ってみよう」というポジティブなマインドが育つ。
(3)海馬を刺激する“反復学習”が記憶力を高める
中学受験の算数・理科・社会などの暗記や計算問題を何度も繰り返す学習は、海馬を繰り返し活性化するトレーニングになります。反復→定着というサイクルを小学生のうちに確立しておくと、のちの英単語学習や大学受験での膨大な知識インプットにも対応しやすくなります。
メリット:知識を短期から長期記憶へ移行するスキルが自然と身につき、学習効率が上がる。

2. 中学受験を検討する際の注意点

(1)“御三家や灘・筑駒などに入れること”が目的化しすぎない
よくあるのが、「とにかくトップ校に合格させたい」という焦りから、親御さんが血眼になってお子さんのお尻を叩くケースです。塾内の順位の競い合いも競争心を養う意味では一定の意味がありますが、親御さんがそれに一喜一憂することは「全く意味がありません」。子どもは最初のうちは言われたとおり動くかもしれませんが、過度なプレッシャーは脳のストレス反応(コルチゾールの過剰分泌)を招き、逆に学習意欲を損ないかねません。
むしろ、勉強ができたから偉いね!という条件付きで子どもの価値を判断することはお子様の自己効力感を育てることを阻害するのです。勉強は私ども、アルファジーニアスにお任せいただき、存在価値を認めてあげましょう。これはまた別記事でも解説します。
対策:“中学受験を通じて何を得たいのか”(論理的思考、自己管理、粘り強さ、語彙力など)を明確にし、学校名はあくまでも手段の一つと捉える。
(2)「勉強=苦しいもの」と刷り込まない
中学受験は一時的に忙しくなりますが、子どもが「勉強はつらい、嫌なもの」と思ってしまうと、長期的に学ぶ楽しさを失います。勉強量や教材のレベルを上げる前に、適度な休息や遊び、運動とのバランスをとることが大切です。
対策:1日に勉強できる時間と集中力には限界があるので、子どもの様子を見ながらメリハリをつける。ゲーム感覚の学習ツールやオンライン教材も活用し、「学び」をネガティブな経験にしない。
(3)自己否定感を植え付けない
受験期には模試の結果や周囲との比較で、「自分は全然できない」「頭が悪いんだ」と思い込むお子さんもいます。そうするとセルフイメージが下がり、かえってパフォーマンスを落とす可能性があります。
対策:偏差値や順位の話をする際は、「今のあなたは○○が苦手なだけ」「練習すれば伸びる」と具体的な改善点にフォーカスする。結果よりも努力のプロセスを褒めてあげる。
(4)“勉強ばかりの人間”になるリスク
中学受験に夢中になるあまり、一切遊ばない・部活しない・友達付き合いしない状態が長く続くと、心身の健康やコミュニケーション能力に悪影響が出る可能性があります。子どもの成長は勉強だけではなく、人間関係・身体活動・好奇心など多面的に育まれるものです。
対策:土日は思い切り運動や趣味を楽しむ、家族で外出するなど、多様な経験を意識的に取り入れる。お友達とも外で遊ばせてあげる、など時間を作る。興味があることがあれば、没頭させる時間も作る。(これは後の海外大学や海外高校の進学に必須といっていいほど重要です)

3. 中学受験をプラスに活かすためのヒント

1. “過程”を大事にする
点数や偏差値だけでなく、「計画通りに勉強できた」「前回のテストより見直し回数を増やせた」など、学習プロセスの成長を一緒に認める。
2. 適度な競争 × 適度な達成感
まったく競争がない環境だとやる気が出にくいですが、常にプレッシャー全開だと疲弊してしまいます。“チャレンジ→達成→ご褒美→次の目標”という流れを無理なく設定しましょう。
3. メタ認知を育てる
「どうやったらもっと上手くいくかな?」「今回の失敗は何が原因?」など、自分の学習を客観的に振り返る習慣をつけると、後々の大学受験や社会人になってからも大きな財産になります。
多角的な学びを並行して取り入れる

中学受験の合間にも、読書習慣や英語学習、プログラミングなどの新しい学びに触れさせる。子どもの脳は好奇心が旺盛なので、いろいろな刺激を与えると相乗効果が期待できます。

4. まとめ:中学受験を通じて“脳の可能性”を広げよう

・メリット:脳の可塑性が高い時期に、論理的思考力や記憶力、学習習慣を確立しやすい。
・注意点:合格校だけに目を奪われたり、過度なストレスを与えたりすると「勉強嫌い」や「自己否定感」を生むリスクもある。
・結論:中学受験は“目的”ではなく“手段”。学びのプロセスを大切にし、子どもの可能性を伸ばすきっかけとして活用すれば、大きなアドバンテージになる。
・私自身、“脳の仕組み”と“教育の実践”を両面から学んだ経験を踏まえ、アルファアカデミーで日々「どうすれば子どもたちが楽しく、効率よく学べるか」を追求しています。世界のトップ大学やMBAにも幅広く合格者を輩出してきましたが、その原点にあるのは、「学びは本来、面白くて役に立つもの」だという信念です。
もし中学受験やお子さんの学習方法で迷われている方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。子どもの好奇心と自信を育み、“勉強が好きになる”サポートを全力でさせていただきます。

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2025/03/22 18:31:33

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